期間:2016年04月01日 ~ 2016年07月12日

 平野政吉コレクションは、藤田嗣治作品がよく知られていますが、その他、日本初期
洋風画、明治絵画、西洋絵画、中国絵画など多岐にわたるジャンルの作品群で構成され
ています。
 コレクターの平野政吉(1895-1989)は、豪商・平野家の三代目として、秋田市大町に
生を受けました。
 平野家は家業である米穀商に加えて、木材、金融などにも事業展開し、県内有数の大
地主でもありました。
 平野は進取の気性に富み、若い頃はオートバイを乗り回し、飛行機の操縦にも挑戦。
 一方で、絵筆を取り、画家になることも考えたといいます。
 美術への思い入れは、美術品の収集へとひろがり、浮世絵、骨董、刀剣などを所有し
ました。
 1936年に平野は、藤田の妻が死去したとの報を聞き、その鎮魂のため、秋田に美術館
建設を提案しました。
 この時、美術館に展観するために購入した藤田作品が、平野政吉コレクションの核と
なります。
 平野は、藤田が収集したゴヤの銅版画《闘牛技》も購入し、これを契機に西洋絵画も
収集するようになります。
 1938年に美術館の建設が中止になった後も、平野は収集を続けます。
 東京の画廊や美術展に足繁く通い、当時活躍していた彫刻家や画家の作品を購入して
います。
 1940年代からは、美術史家の西村貞(てい)との交流を深め、日本初期洋風画の収集に
力を注ぎました。
 この展覧会では、平野政吉コレクションの中から、日本初期洋風画、明治絵画、西洋
絵画の名品を紹介します。
 美術館の夢を追い続け、生涯を美術品の収集に賭けた平野政吉。
そのまなざしを感じていただければ幸いです。

  • 会 期:平成28年4月1日(金)~7月12日(火)
  • 時 間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
  • 会 場:秋田県立美術館 3Fギャラリー
  • 入場料:一般310円
  • 問合せ:秋田県立美術館 ☎018-853-8686

ギャラリートーク

担当学芸員によるギャラリートーク。
4月16日(土)
5月21日(土)
6月18日(土)
各日とも14:00~